山と都会と時々、建築

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登山で自然の雄大さを感じ…都会で人間の営みを建築から見る…そんなブログです

ルーブル・アブダビ:前編

最近、ちょっと建築とかのこと書いてないなぁ〜と思ったので、旧ブログをリライトすることにしました。ただ移し替えるのも面白くないと思い、元写真を新たに現像し直し、新しいものも追加しています。文章自体もかなり書き直しを行なっていて、読み比べるとかなり違った内容になっていると思います。結構長いブログですが、一度読んだことがある人も時間がある時に是非再読して頂けると嬉しく思います。それと前に投稿したブログ「スペイン・ビルバオ」と一緒に読んでもらえると近年の美術館について比較しながら、現在の傾向などを感じてもらえると思います。

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数年前にドバイに行ってきたのですが、その時に立ち寄った美術館の話です。この美術館は「ルーブルアブダビ」と呼ばれていまして、気が付く人も沢山いると思いますが、フランスにあるルーブル美術館と関係ある美術館です。フランスのルーブル美術館が国外で初めて、その名を使うことを認めたらしい。ただ実際は30年間、名前を使うために莫大な使用料を支払うことになっています。美術館という世界的な観光ビジネスです。

さて先ほどドバイに行っていたと言ったのですが、この美術館がどうしても見たくて日帰りで、わざわざアブダビに行ってきました。

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あまりにも文化圏が違うので、少しUAEの事を書いておこうかと思います。僕自身も中東の事は無知が過ぎて行くまで、わかってなかったのですが、UAEすなわち「アラブ首長国連邦」の中に七つの首長国連邦国家を作っています。そして、この七つの首長国の代表的なのがドバイ首長国で、そこに並ぶのがアブダビ首長国ということになります。それぞれに首長、すなわち王様がいます。日本には天皇陛下がいますが、一つの国に七人の王様がいる…国の捉え方も大きく変わってくることを実感させられます。日本人からすると国というものは揺るぎない様に感じますが、例えばテレビなどでアメリカ人に「どこから来ましたか?」という問いに「カルフォルニア」「ニュージャージー」など州を迷いなく答えるのもきっと同じような感覚で、アメリカの人にとって州が国の様なもので日本人が思うアメリカってあくまでも合衆のシンボルなんだと気付かされます。

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ちなみにドバイからアブダビまではタクシーを使いました。意外と交通の便が悪くて結局タクシーが時間的にもコスパがよいということになりました。距離は150 kmもあるのですが、UAEはタクシーも結構飛ばすので2時間ほどで着きます。外国では、やっぱりタクシーが安くて金額を詳しく覚えていないのですが、300AEDぐらいで日本円にすると約9000〜10000円だったと思います。めちゃくちゃ安くないですか?日本だと5〜6万円ぐらいするんじゃないでしょうか?UAEのタクシーも、ちゃんとメーター式で計算してくれるので分かりやすいし、安くて安全な交通手段なのでオススメです。簡単な英語とgooglemapでなんとかなります。ちなみに帰りのタクシーは日本では見たことないメルセデス・ベンツのミニバスの様なボックスカーでした。同じ金額で得した気分。

この美術館を設計したのは「ジャン・ヌーヴェル」氏というフランスの建築家です。世界的にも、とても有名な建築家で日本にも汐留のビルを設計しています。個人的にはとても好きな建築家の一人で、学生の時は夢中になって本を漁っていました。とてもダイナミックに、そして繊細に建築を設計する方で、不思議な感覚を与える建築家です。

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昔に写真を撮った記憶を辿り…やっと見つけた…このビルです。よりにもよって裏側という痛恨の極みですが、雑居ビルの間に軸線の異なるガラスの摩天楼のアングルは個人的に気に入っています。写真の裏側のファサードは、カーテンウォールのガラスのエッジと曲線がとても綺麗なデザインになっています。見学する時はそちらをお勧めします。

話を戻します。前の写真は上からアプローチで、日差しの痛い国なのでFRPの白いグレーチングを簾のように用いていました。そして抜けると下の写真のエントランス入り口付近にある外観を見渡せる場所に到着します。本当に写真のようなエメラルドグリーンの海でした。太陽の影響なのか?お金に物を言わせてのバスクリンなのか?小学生の時に買ってもらった色鉛筆の中にあったエメラルドグリーンというネーミングのキラキラ感に、子供ゴコロに軽く衝撃を受けたことを思い出せるぐらいの衝撃です。

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敷地という表現が正しいのか分かりませんが、サディヤット島という島の中に建てられた美術館で海の上に建っています。ランダムな目地が白い外壁に映えるシンプルな四角い箱の上に、なんだかよく分からないメタリックなドームが載っていてドキドキさせる形態です。

さて、最後はエントランスの写真で前編は締めくくりたいと思います。これが意外とシンプルで、拍子抜けするような入口です。日本では最近見ることも少なくなった回転ドアで建築関係者としては妙にドキドキしています笑。ちなみに右の可愛らしい女性は知らない方です…多分、怪しい東洋人が写真を撮っているので入るのを待ってくれています…すいません。では前編はここまでと致します。後半は、いよいよ美術館の中を紹介していきたいと思います。このメタリックなドームがどんな感じになっているか?乞うご期待!!

お題「好きなシリーズもの」